東羽衣の家

2019

敷地は密集した住宅街に位置し、東側に空き地があるもののおそらく将来建物が建つだろうと想定されたため中庭型を採用した住まいです。

​無表情な外観を横目に玄関に入ると中庭が迎えてくれる計画です。自転車やバイクなど少し雑多になりがちなものは玄関や道路側から見えないように計画しているため、よりこの中庭の見える玄関がすっきり見えるようになっています。2世帯ですがLDKは共有し、1階を主に親世帯のプライベートゾーン、2階を子世帯ゾーンとしています。2階には中庭と別の広めのテラスを設けていることもあり、どの居室もプライバシーの守られた明るい空間となっています。

夜は一転、特に2階のLDKはかなり照度を抑えたシックな照明計画となっています。最近のLED照明の小型化や低価格化により可能になった間接照明を多用し、普通天井から下に照らされる照明の光ですが、今回は壁にギャップをつくりその隙間を光らせるなどの工夫でタイルや木材など素材感を照明で強調しながら空間をほんのり照らす照明計画としました。最初は少し暗いかな?と心配もしたのですが、クライアントご家族がこの暗さを積極的に楽しんでおられている様子を伺い、ほぼ日常生活の半分を占める夜間の住宅の新しい暮らしの姿が実現できたかなと、うれしい限りです。

僕が高校生活を過ごした高石市で今回このような素敵なご縁をいただき、少しでもこの町とクライアントご家族の快適な生活に貢献できればと思って計画しました。感謝です。

構造・規模: 木造2階建
設計:向阪一郎 / 柴村敏之 

構造:森本建築設計 森本晃生

施工:株式会社三苫工務店

​キッチン:神戸スタイルキッチン

​造園:竹本造園

撮影:冨田英次